
むし歯について
むし歯とはむし歯菌が食べかすなどを餌にして増殖し、歯が少しずつ溶けていく病気です。むし歯菌は食べかすに含まれる糖から、デキストランという成分を作ります。デキストランは歯の表面に歯垢を作り、その中から酸を放出します。歯は酸性に弱く、表面から少しずつ溶けて穴が開き、むし歯につながるのです。
むし歯治療の流れ
Flow01初期症状が見られる要観察歯(CO)

むし歯の一歩手前の状態です。むし歯菌の出す酸によって歯の表面が脱灰し、白く濁っています。痛みなどの自覚症状はなく、穴も空いていないので外から見てもむし歯だとなかなか気づきません。
Flow02エナメル質のむし歯(C1)

初期のむし歯です。歯の表面にあるエナメル質が酸で溶けています。もし穴が空いていた場合は、一気に症状が進行するのが特徴です。
Flow03象牙質のむし歯(C2)

象牙質まで細菌感染が及んでいる状態です。象牙質の中には「歯髄」と呼ばれる、神経や血管が通っている部分があるので、進行度合いによっては痛みや知覚過敏が生じます。
Flow04歯の神経のむし歯(C3)

歯髄にまで細菌感染が起きている状態です。この状態を「歯髄炎」と呼びます。歯髄の中には神経や血管があるため、ズキズキと激しく痛むのが特徴です。
Flow05歯の根のむし歯(C4)

歯根より上の部分が完全に溶けた状態です。神経が失われているので、痛みが治まっている可能性もありますが、細菌自体は残っています。そのため、歯根の先に膿が溜まり、顎の骨にまで細菌に感染するリスクが考えられます。

歯周病について
歯周病とは歯周病菌によって引き起こされる病気です。はじめは歯肉に炎症が起こり、悪化すると歯を支えている歯槽骨が溶かされていきます。日本人の成人の8割以上が歯周病であるといわれており、歯を失う原因の第1位です。初期の歯周病は自覚症状がほとんどなく、重症化する症例がほとんどです。ぜひ検診を受け、早期発見・早期治療に取り組み、その後の予防もめざしましょう。
こんな症状はありませんか?
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 朝起きた時に、口の中がネバネバする
- 歯ぐきから膿が出る
- 歯がグラグラした感じがする
- ハミガキ時に歯ぐきから出血する
- 歯が浮いた感じがある
- 口臭があると言われることが多い
- 食べ物が歯の間にはさまりやすい
- 昔より歯が長くなったような気がする
歯周病と全身疾患の関係性

歯ぐきの毛細血管から体内に歯周病菌が侵入すると、血流に乗って全身を巡ります。歯周病菌は体内で死なず、毒素を放出し続けて血栓を作ります。動脈硬化が進行し血管が詰まると、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などのリスクが高まるのです。また、糖尿病の発症や悪化の原因にもなります。歯周病は全身疾患との関係が深いため、健康維持をめざすには、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
歯周病治療法
基本治療

TBI(ブラッシング指導)
- プラークを染め出し、どこが磨けてなくて、残っているのかを確認
- 歯磨きの仕方を習得
- 適切な清掃用具のご案内

SC(スケーリング)
- プラークだけでなく、歯ブラシでは落とせない石灰化した歯石を専用器具で除去
- ざらついた歯面をつるつるにし、汚れをつきにくくする

SRP(ルートプレーニング)
- 歯と歯肉の間にできた、歯周ポケット内に潜む歯石の除去
- 細菌により汚染された病的組織を除去
- 根面をつるつるにし、汚れをつきにくくする
歯周病レーザー治療

当クリニックではネオジウム・ヤグレーザーを導入しています。患者さんの症状やご希望、それぞれの特徴をふまえて、レーザーを使い分けて歯周病治療を行います。
レーザーの光と熱は、スケーラーだけでは届きにくい歯周ポケットの奥深くや、複雑な形態の歯周ポケット内部にも到達します。レーザーを用いることで、従来よりも精密に細菌の死滅を図ることができるようになりました。
適切な予防をして健康な歯を保ちましょう

歯周病の早期発見・早期治療ができれば、少ない処置でも早めの改善が期待できます。
しかし、歯周病が重症化している場合は、治療の期間や費用が大幅に増える可能性があります。できるだけ早い検診と治療に取り組み、歯周病が改善した後も歯科クリニックでの定期的なメインテナンスを継続しましょう。当クリニックでは精密検査のうえ、専用の器具を用いて歯垢や歯石を徹底的に除去し、清潔なお口の環境をめざします。